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タイ軍政、無料コンサートを開催=タイに幸せを取り戻そう
配信日時:2014年6月17日 9時17分 [ ID:613]

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元女子ムエタイ・チャンピオンであり、引退後はアールサヤーム社に所属するトップ歌手として人気のあるクラテーさんもゲストに招かれ、ヒット曲とキレのあるダンスを披露した。

 2014年6月15日日曜日、タイ軍事政権は、「Happiness returning in Thais」(タイに幸せを取り戻そう)というキャッチプレーズのもとでこの日、歴史映画の無料公開や無料コンサートなどのイベントを各地で繰り広げた。

 雨季に入ったとはいえ、今年のタイはまだまだ日中の日射しが暑季並みの強さ。そんな中、つい数週間前まで反政府デモ隊が占拠し、デモ活動の拠点となっていたバンコク中心部シーロム通りに接するルンピニ公園で、軍と警察が共同でキャンペーンイベントを開催した。多くのスポンサーが提供するブースで、食事や飲料、グッズなどが無料で配布された。

 午後3時過ぎから公園中央に設けられた特設ステージでは、警察の楽団による演奏が披露された。それも堅苦しいマーチなどではなく、タイ人に馴染みの人気ヒット曲を中心にのど自慢の警察官が代わる代わるステージで歌い、中にはプロ顔負けの歌声に集まった観衆は大きな歓声を送っていた。

 グッズなどをブースで無料配布するスポンサー同様に、このステージにも大きなスポンサーが付いていた。それが3チャンネルとその傘下にあるRS社。その関係から、歌謡曲専門レーベル、アールサヤーム社の歌手たちがゲストとして登場した。

 集まった観衆はステージ前で踊り出したり、花を手渡したり、その瞬間はまるで政治色を感じさせない。しかし、歌手が曲の合間に話すことは「タイ人同士、仲良く、愛し合いましょう」ということが中心。その言葉一言には、どちらの側も言っていることではあるが、背景に軍事政権がある状況では、ある種のプロパガンダという側面は否めない。

 それでも、集まったほとんどのタイ人は、平和でさえあれば、生活が脅かされなければ、どちらが政権にいても、軍隊に支配されていたとしても、お構いなし、という面持ちで、ステージ前で盛り上がっていた。


【取材/撮影:そむちゃい吉田】

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