タイのニュース

【タイ】伝説の歌姫、没後22周年追悼コンサートが大盛況=夜間外出禁止令解除の夜に開催
配信日時:2014年6月14日 21時31分 [ ID:604]

このエントリーをはてなブックマークに追加

写真をクリックすると次の写真に切り替わります。

ファンが手渡す花輪と花束は人気のバロメーター。

 2014年6月13日、タイ全土で夜間外出禁止令が解除された。この日はタイ人なら知らない人はいないという伝説の歌手プムプアン・ドゥアンチャンの命日にあたり、故郷スパンブリーやバンコクなどで追悼コンサートが盛大に挙行された。

 世界広しといえども、没後20年以上経ってもなお、若い人や子どもにまで影響を与え続け、追悼コンサートが各地で開催される歌手はそうはいないだろう。かのプレスリーでさえ、アメリカの子どもたちが知っているかと言えば疑問符が付く。日本の歌手に例えれば、美空ひばりが一番近いかもしれない。

 しかし、それでもこの存在感を前にしたら比べものにならないと言える。今もって多くのタイ人に愛され、歌い継がれているプムプアンは、まさにタイを代表する歌手であり、彼女を知らないタイ人はいないのだ。

 この日、バンコク市内スクムビット通りにも近い、エカマイにあるワット・パーシーで、そのプムプアンの追悼コンサートが開催された。

 コンサートとはいえ、場所はお寺の境内。特設ステージが組まれ、門前には食べ物屋台が並ぶ、縁日そのもの。しかも入場料は無料。熱心な仏教徒でもあるタイ人は、ここに来れば必ずと言っていいほどお参りもして、お布施を置いていく。そして、このワット・パーシーには、プムプアンが祀られている。

 毎年この寺でこの命日を中心に3日間連続で開催されるコンサートは、プムプアンの一人息子であり、ラジオの人気DJでもあるペット・ソラポット氏が主催し、多くの人気歌手が招かれる。ベテラン歌手はもちろん、デビューしたての若手歌手も、このプムプアンの歌で練習を積み重ね、コンテストなどを勝ち上がった例は数知れない。

 初日にあたるこの日、ペット氏が所属するトップライン・ダイアモンド社の歌手たちなど約20組の歌手たちがそれぞれの思い出と想いをこめてステージに上がった。

 中でも最大手グラミー社から移籍して3年ほど経過したプレワー・パチャリーさんは、プムプアンと同郷ということもあり、熱唱する姿に集まった観衆はプムプアンの姿をダブらせているかのようにひと際大きな声援が送られていた。

 また、新作をリリースしたばかりの6人グループ、スーパーバレンタインは3人娘と男性陣という二部構成のステージを披露。プムプアンの歌と持ち歌をそれぞれ歌った。続く男性陣は半ばお笑い担当。歌謡ショーとはいえ、半分はお笑いが繰り広げられることが多いのも、このルークトゥンと呼ばれるタイ歌謡曲の特徴だ。

 タイ人は何よりも笑うことを好み、どんな苦境にあっても、かつての津波被災の時でさえ、応援コンサートではお笑いコントが演じられたというエピソードがあるほど。

 コンサートは14日と15日も同所で開催される。

【取材/撮影:そむちゃい吉田】

タイの新着ニュース