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ラオス南部サワンナケート紀行(1) 〜バス王国タイでの遠き道のり
配信日時:2023年6月13日 7時00分 [ ID:8985]

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チェンマイ〜ウボン間、約900キロ以上を夜通し走る長距離バス

 2023年6月5日から4日間をかけて、4年ぶりにラオス南部のサワンナケートを訪ねて来た。新型コロナの間にこの閑静な街がどう変わり変わらずにいたのか。今回の訪問はそんな事を探して歩いてみる。前回の序文に続いて、本文の1回目として、今住んでいるタイ北部からサワンナケートへの遠い道のりからはじめよう。普通の旅行者は、ほとんど使わない移動ルートだが情報源としては貴重だと思う。

 今回の旅程は当初、バンコクを経由して鉄道を中心に考えていた。しかし、諸々の事情で少しでも早く戻らなくてはいけないことになってしまった。そのために探し出したのは、まずは、空路もノックエアーが飛んでいるのだが、スケジュールが合わなかった。そして、タイ国内移動の定番でもある長距離バスで、チェンマイからウボンラチャタニー(以下、ウボン)へ行き、そこから乗り継いでサワンナケートの対岸のムクダハーンへ入るというルートだった。

 タイ北部の観光都市チェンマイとウボンは、言ってみれば北端と東端になる。Googleマップで 調べると走行距離は922キロ。時間にして13時間半。しかし、バスの予約サイトでは17時間と表記されていた。このルートを走っているのは、タイでも安全性とサービス両面で一番評価の高いナコンチャイエアーともう一社ペットプラサートというバス会社だった。料金はどちらも940バーツほど。まずはスケジュール的な点からチェンマイ16時発、翌朝9時頃に到着するペットプラサート社にしてみた。社名には記憶があるので、以前どこかで乗ったことがあると思われるが、どこで利用したのかは思い出せなかった。それともどこかのバスターミナルで見ただけだったのかも知れない。

 多くの旅行者も知っての通り、タイはバス王国だ。北から南までバスの交通網が全土に張り巡らされている。それがゆえに鉄道の開発が疎かにされてきたと思っている。近年になってやっとタイでも高速鉄道の建設が始まったが、完成するのはまだまだ先の話だ。わたしがこれまで乗った最長距離はプーケットからバンコクで、約12時間、約850kmだった。ちなみチェンマイとプーケットも約1600キロ24時間で運行している。今回の長距離移動で興味が湧いたので、タイ国内最長距離はどこからどこまでかと思い、調べてみると北部チェンライのミャンマー国境メーサイから最南端マレーシア国境ダンノークまでの路線があった。走行時間約24時間超、約1850kmとなるようだが、決して乗りたいとは思わない。

 このようにタイのバス路線はタイ全土を隅々まで張り巡らされているよう見えるのだが、いずれもバンコク中心になっている。今回のようにバンコクを通らず、東西の横に移動する時には苦労することがある。今回もタイ側の最終目的地ムクダハーンへは直通の路線はなかったため、ウボン経由にしたのだ。しかし、今後その状況も変わるかも知れない。今年、コンケーン県南のバーンパイからムクダハーンを通ってナコンパノムへと鉄道を建設する計画が始まったのだ。起点が県都コンケーンではなく、バーンパイなのは恐らくそこから西、ミャンマー国境ターク県への延伸計画もあるからだろう。中国によるノンカーイからバンコクとラヨーンへの南北路線がゴロンされている裏側で、密かにこの東西の路線も机上にあがっていたのだ。それが今年やっと動き出したわけだ。

 さて、肝心のバスはチェンマイのバスターミナルを午後4時の定刻通りに出発。約2時間おきに通過する各県都などのバスターミナルに停車しながら進んだ。途中、バス会社の本社があるペチャブン県ロムサクで給油も行われた。タイを旅しているとこのようにバスなどが、乗客を運ぶ途中で給油を行うこともある。今回のような長距離路線ではほぼ確実に立ち寄る。そこではトイレ休憩も兼ねている。また、以前はレストランに寄り、無料の食事が提供されていたが、今ではそれは含まれていないことが多くなった。今回も午後8時頃にレストランへ立ち寄ったが、各自自腹で食べていたようだ。かく言うわたしは、乗車前にパンやスナックを買い込んでいたので、それで済ませた。辛いものが苦手な物としては、必要な自衛策として身についている。地方の食堂では選択肢がないこともあるからだ。

 バスがウボンに到着したのは、午前9時過ぎ。10時頃と聞いていたが、それよりも早かった。しかし、到着して間も無く土砂降りの雨に見舞われた。そして、座席に電源がなかったので、スマホのバッテリーも底をついていた。ムクダハーンへ向かうミニバス(ワンボックス車)の場所を確認しつつ充電としばしの休憩。用意が整ってミニバスに乗る頃には雨もほとんど止んでいた。

つづく


【執筆:そむちゃい吉田】

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