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【日本】22年ぶりに成田空港に誕生した第3ターミナル LCCアジア路線の起爆剤となるか?
配信日時:2015年4月12日 17時00分 [ ID:1783]

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誘導トラックの終着点は国際と国内で左右に別れる出発口 (4月10日 我妻伊都 撮影)

 2015年4月12日、成田国際空港に誕生した第3旅客ターミナルは、同空港では22年4ケ月となる新ターミナルで、4月8日に開館した。

 LCC(ローコストキャリア)専用の同ターミナルには、成田に就航する約80%のLCCが離発着し、国内12都市、海外は、台北、高雄、ソウル、香港、ゴールドコースト、ケアンズ、メルボルンの7都市とを結ぶ。

 3階建ての本館と2階建てのサテライトなど延べ床面積は約6万6000平方メートルで、コストを抑えるために天井を低くし、配管はむき出し、冷暖房費の無駄をなくすため窓も極力なくすという省エネ設計でLCCターミナルらしく、低コストを実現している。

 第3ターミナルは東京スカイツリーを設計した「日建設計」や無印良品の「良品計画」、国内外で評価が高いクリエイティブディレクションの「PARTY」の3社がデザインを担当している。

 第3ターミナルへは徒歩なら空港第2ビル駅から行け、ターミナル間の無料連絡バスは、第2、第1、第3の順で巡回するため、バスを利用するときは、成田空港駅で下車して利用したほうが早い。

 空港第2ビル駅から1階へ出ると、陸上競技場をイメージさせるトラックデザインで第3ターミナルへ誘導している。道は陸上トラックで使用する本物のゴムチップを利用しており、スーツケースのキャスターの動きも軽やかだ。しかし外を約500メートル歩くため、冬は風に震え、夏は汗をかきそうだ。

 第3ターミナルは出発も到着も同じ2階の出入口が共有されている。建物の印象としては、2012年10月28日に開館した関西国際空港の第2ターミナルに近い。館内の内装は、シンプルでデザインも洗練されており、さすがに新しいため雰囲気はいい。成田空港第1、2ターミナル同様にWi-Fiは無料で利用できる。

 入り口から右側に航空会社のカウンター、左手にはコンビニエンスストアや書店などのショップや両替所が続き、奥には国内の空港では最大規模となる450席を有するフードコートがあり、右奥の出発口へとつながる。

 館内には日本の空港では初の試みで「無印良品」のソファベンチ400台。フードコートにオーク無垢材のテーブルと椅子を導入している。ソファベンチは、エリアによって色分けされており、ベッド兼用だけあり、長時間座ったり、横になっても疲れにくい仕様になっている。これも早朝便が多く、空港で夜を明かす人も多いLCC客のニーズに沿ったものといえる。同社から開館日の8日から一般向けにも販売されている。

 しかし開館して間もないのに関わらず、ソファベンチは汚れが目立つ。清掃回数を増やすか、汚れづらい素材等の工夫が求められるのかもしれない。

 第3ターミナルを運営する成田空港株式会社によると、同ターミナルは、1日90便、年間550万人の利用を見込んでいるという。同ターミナル開館が成田空港からのLCCアジア路線拡大への起爆剤となるか注目したい。

【執筆:我妻伊都】

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