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【タイ】芸術家の現在と未来をサポートする美術館がオープン
配信日時:2014年7月1日 18時44分 [ ID:657]

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絵画や彫刻などの様々なアートが展示されている。

 2014年6月27日、BTS(高架鉄道=スカイトレイン)ブラカノン駅にほど近いコンドミニアムW-DISTRCT(ダブル―ディストリクト)敷地内にHOF ART美術館がグランドオープンした。

 バンコクでは近年、2006年にMBK横にあるバンコク都によって設立されたバンコク・アート・アンド・カルチャーセンターが、タイでのアート発信基地となっている。一つの私的団体として、2つの高層コンドミニアムの間をアート空間にしてしまったことはタイ芸術史にとっても画期的なことと言えるだろう。

 まさに美術庭園と呼ぶべき敷地内の展示スペースは、大きく4つに分かれている。スクンビット通りに面した5階建て構造で、円盤形の構造物をいただきに掲げるE88。この横では、アニメの宇宙人のような巨大像が出迎えてくれる。

 奥に進み、Le-Lukコンドミニアムに併設されているアートスペース。さらに奥に夕方からビヤガーデンとしても営業し、バンド演奏もしているW-MARKET(ダブルーマーケット)。そして、この横にアートレジデントとして、展示スペースのほか、アーティストたちのための作業スペースと宿泊施設が備えられている。また、敷地の一番奥にはビートホテルもある。

 HOF ARTは、タイの若い芸術家の支援と育成を目的に2004年4月にラチャダーピセークで設立。バンコク・アート・アンド・カルチャーセンターを中心に展示会などを開催してきた。W-DISTRICTを所有する不動産会社社長が、もともと芸術への深い理解があったことなどから、その建設にあたり全面的に協力支援をしてきたという。

 そして、そのコンセプトの通りに芸術系の学生たちにも展示と作業の場所を提供している。屋内外に配されたアートの多くはそうした芸術家の卵たちの作品だ。

 まさに、先進的な思考を具現化し、現在の形として掲示。さらに未来へのステップとしての場を備えるというHOF ART。

 そのグランドオープニング当日は、タイで活動する様々なアーティストやバンコク都からの賓客が訪れていた。タイの芸術家を取り巻く環境といったテーマでのトークセッションのほか、W-MARKETでは日タイ混成バンドも招かれ、演奏を繰り広げた。今後も週末には、若い芸術家たちが自ら作品を売ったり、バンドの演奏を聴かせてくれる。

また、W-MARKETを囲む屋台街には、タイ、イタリア、日本などの料理店から、ワインバーなどが揃っている。

 この美術庭園HOF ARTへは、BTSプラカノン駅下車、オンヌット方向に左側を進み、郵便局を過ぎたあたりの宇宙人像が目印だ。


【取材/撮影:そむちゃい吉田】

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