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タイにロリータファッションを伝える日本人の美人姉妹
配信日時:2014年6月27日 11時57分 [ ID:648]

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「ChuChu(チュチュ)」の服を着る翼さん(右)と真夢さん(左)

 2014年6月24日、バンコクに拠点を置いてタイにロリータファッションを広めている日本人の姉妹にインタビューした。

 前田翼さん(姉)と真夢さん(妹)の2人である。2人でロリータファッションの服をデザインして、ネットショップを中心に販売。真夢さんは雑誌モデルとしても活躍している。

 先にバンコクに来たのは真夢さんのほうだった。両親の仕事の都合で中学から移り住んだ。幼少の頃からお姫様のようなファッションが好きで、高校の頃からはバンコクのコスプレのイベントにもひんぱんに参加するようになった。

 その頃、翼さんはニューヨークで服飾を学んでいた。勉強を終えて来タイしたのは今から約5年前。2人で何か仕事をしようと話し合い、当時はまだタイになかったロリータファッションの服を展開しようと決断。2013年2月、衣料品店が集まったバンコク都内のショッピングモール「プラティナム」にロリータ系ファッションショップ「ChuChu(チュチュ)」をオープンさせた。

 服のデザインは2人で考案した。

 翼さん「本当のロリータファッションはフリルがたくさん付いていて、スカート丈も長いのですが、それだと南国のタイで着るには少し暑すぎる。私たちはタイでも涼しく着られるような、カジュアルスタイルのロリータファッションを提案していこうと思いました」

 図面だけでなく、生地や装飾品まで自分たちで用意して、バンコクの縫製工場に製作を依頼した。が、何かとトラブルが多かったという。

 翼さん「工場の人がとにかく約束を守ってくれない。こっちの承諾なしに勝手に服のサイズや色を変えてしまったこともありました」

 2人はバンコクの縫製工場を諦め、母の住んでいるタイ北部のナーン県の縫製工場に依頼することにした。個人経営の小さな工場なので少量ずつしか作れないが、できあがってくる服のクオリティーはバンコクの工場よりもずっと良かった。

 そのおかげで固定客も徐々に増えていった。

 翼さん「お客さんはタイだけでなく、世界中から来てくれます。タイ人だとけっこう年配の方も多いですね。お客さんの年齢層は日本よりずっと広く感じます」

 しかし、プラティナムの店舗は2013年12月にクローズ。売り上げは良かったのだが、家賃が非常に高く、売り上げのほとんどをもっていかれてしまっていた。

 2014年1月からはインターネットショップを立ち上げた。プラティナムの店舗で固定客はつかんでいたので、経営はすぐに順調にまわり始めた。ドイツやスウェーデンから大口の注文も入るようになった。
 
 タイ国内で開催されるコスプレイベントなどへの出展も始めた。

 翼さん「タイ人のコスプレイヤーは、イベント中はきれいに着飾っているのに、それ以外のときは意外と地味な服装の人が多いんです。そういう人たちにプライベートでももっとおしゃれを楽しんでもらえたらと思いました」

 真夢さんはタイで発行されているファッション誌「Ray Thailand」の専属モデルとしても活動を始めた。同誌のモデルコンテストで準優勝したのがきっかけだった。

 バンコク都内のファッションショーに招かれたり、自分たちで企画したりすることも増えた。「日本ロリータ協会」の会長である青木美沙子さんをメインゲストに向かえて、ネット番組「渋谷CYTV」で放映された「世界ロリータ会議」にも参加した。
 
 そんな2人の今後の目標は……?

 真夢さん「最近はモデルの仕事を通してタイ人のモデル友達も増えてきました。彼女たちにもいっしょにロリータファッションを着てもらいたいですね」

 翼さん「日本語の『かわいい』はアジアではもうかなり通じるようになってきています。その日本の『かわいい』を、ロリータファッションを通してさらに広めていきたいです」


【取材:小林ていじ】

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