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【タイ】エビの大量死対策に効果の高い原因菌の診断法の確立=JST/JICAプロジェクト
配信日時:2014年7月1日 18時27分 [ ID:644]

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タイでの記者発表の様子。

 2014年6月27日、独立行政法人国際協力機構(JICA)と独立行政法人科学技術振興機構(JST)は、エビの大量死の原因としてエビが腸炎ビブリオの菌の一種に感染し、消化器の機能不全を引き起こしたことによるものだったことを突き止め、この細菌の感染の有無を100%の精度で判別できる検査方法を確立したことを発表した。

 研究成果について、東京海洋大学の廣野育生氏は、「今後、エビの生産者は、感染拡大を防ぐため、早期の対策を取れるようになる。東南アジアで、エビ生産が元に戻り、値段が安くなってくれれば、日本の消費者は安くておいしいエビを、昔のように食べられるようになる」と話した。

 東南アジアでのエビの生産の落ち込みにより、国際的な相場は2倍以上に高騰していたが、新たな検査技術と予防策により、生産高の回復が期待される。

 「JST/JICAプロジェクト:次世代の食糧安全保障のための養殖技術研究開発計画」は、2012年5月から、東京海洋大学、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)、水産総合研究所増養殖研究センターの3機関と、タイの農業協同組合省水産局(DOF)沿岸養殖研究開発部、カセサート大学水産学部及び理学部、チュラロンコン大学理学部、ワライラック大学農業工学研究所、の4機関で、ハタ、スズキ、クルマエビ等、高級魚の養殖技術開発のための共同研究をSATREPSプログラムとして進めている。 SATREPS: Science and Technology Research Partnership for Sustainable Developmentの略称、SATREPS(サトレップス)とは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している、地球規模課題解決のために日本と開発途上国の研究者が共同で研究を行う3~5年間の研究プログラム。


【編集:朝日音然】

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