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地続きなのに、会えない。北朝鮮と韓国、漢民族の深い溝
配信日時:2019年12月30日 9時00分 [ ID:6053]

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韓国の国旗

 もうすぐ幕を閉じる2019年は、史上最低最悪の日韓関係だった。2020年に関係が好転する材料は見当たらない。韓国と北朝鮮の関係も複雑化する一方だ。

 第二次世界大戦の終戦によって、ロシアが占領する北朝鮮と、アメリカが占領する韓国に、韓半島は分断された。

 その国境とみなされるのは、38度線と呼ばれている。その38度線を1950年6月25日に北朝鮮が侵略し、朝鮮戦争が勃発した。各国のとりなしによって、1953年7月27日に休戦となった。いうなれば、韓半島は、未だに戦争中なのである。

 この混乱時に、南北離散家族が生じた。韓国では、北朝鮮にいる肉親との再会を申請している家族が、今年3100人以上亡くなった。

 韓国統一部と大韓赤十字社が運営する離散家族情報統合システムに登録された家族は、累計13万3365人。このうち存命者は33,7%の5万2997人。約6割の家族が再開を待ちわびながら亡くなったとも言える。

 当然高齢化が進んでいるので、年間死亡者は年々増加する。90歳以上の存命者は、1万2115人で、80~90歳は2万1442人だ。

 あえての飛び道具として、北朝鮮で比較的自由を与えられてる家族からは、第三国を通して、民間レベルと言うことで生死確認や手紙のやりとりもできなくはない。でも、できる人は、ほんの一握りで、消息すら不明という家族がほとんどだ。第三国を通した生死確認は、今年は二件、手紙のやりとりも16件のみだった。

 南北朝鮮は、昨年8月に北朝鮮南東部の金剛山で、3年ぶりに離散家族再会行事を開催した。続いて9月に、北朝鮮・平壌で行われた南北首脳会談で常設面会所の開所や映像を通じた再会の実施、ビデオレター交換に合意した。しかし、今年2月の米韓首脳会談決裂の余波で、南北関係にも影響が出た。

 韓国と北朝鮮は地続きだ。北朝鮮から脱北してくる人も多数いる。しかし、38度線を普通に歩いて超えると銃殺される。

 政治力のなさが最重要課題だが、なんとかして自由に交流できないものか。そして、終戦宣言はできないものなのだろうか。同胞なのだから。


【編集:TS】

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