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タイ南部プーケットでぼったくりタクシーを一斉摘発=運転手と元締め73人を逮捕
配信日時:2014年6月6日 9時30分 [ ID:571]

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タイの地方ではタクシーがメーターを使用することは稀。

 2014年6月4日、タイ英字紙と情報サイトが報じたところによると、タイ南部のプーケット島で、悪質なタクシー運転手とその元締めら73人が違法営業として一斉に検挙・逮捕されたという。

 今回の検挙は、地元警察署と軍が共同して、世界的なリゾート観光地としても有名なプーケットのイメージを良くするために行なわれた。おりしも、夜間外出禁止令がプーケットを含む観光地に対して限定的に解除されたことで、軍政によるイメージダウンを払拭する狙いもあると見られる。

 プーケットには、バンコク同様にメータータクシーと呼ばれる距離メーター制のタクシーが多数走っている。しかし、現実に料金をメーターに基づいて走行している車は皆無だった。残念なことであるが、バンコク以外の地方では、タクシーメーターの看板を掲げているものの、実際は交渉をしなくてはならない車がほぼすべてと言っていい。

 こうした事態になっている原因は、一つはトゥクトゥク(三輪タクシー)やバスなど他の公共交通機関による圧力であり、一つは車を所有するオーナーによる指示。後者はタクシーマフィアとも呼ばれ、主に観光客をターゲットに高い料金を請求したり、みやげ物屋に連れて行ってバックマージンを徴収する。

 多くの観光客からクレームがつけられていたが、これまでは取り締まりも形だけのものが多かった。これは、タクシーマフィアのほとんどが地元警察と何らかの癒着があるからである。今回こうした強硬策に出たのは、軍の介入により、警察の思惑通りにはならなくなったということだろう。

 海外からは民主主義政権の早期復権を望まれ、ネットでは反軍政勢力の監視を強めるなど、軍事政権の対外的なマイナスイメージを今回のクリーンアップ作戦で払拭したい思惑が見え隠れしている。

 しかし、こうした圧力に関しては、むしろ歓迎されるべきであろうし、今後、状況がどのように改善され、適正な運用がちゃんと継続されていくかどうか注視したいところだ。

【翻訳/編集:そむちゃい吉田】

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