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おしゃれなスツールはプラスチックごみが原料? ~フィリピンのエシカルデザイン日本初上陸~
配信日時:2018年11月9日 9時15分 [ ID:5339]

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junk not! 代表のウィリー・ガルシアさん(2018年11月8日・丸の内 Garb Tokyo で撮影)

 2018年11月8日、東京都内で、フィリピン貿易産業省が主導するGo Lokal! (ゴーローカル! ) プログラムのネットワーキングレセプションが、同国観光省との共催で行われた。

 Go Lokal! プログラムは、フィリピンの手工芸品をプロダクトデザイナーによって家具やファッションなどの生活雑貨を再構築し伝統産業を守るとともに、零細企業やコミュニティー開発、持続可能なビジネスを支援する試み。フィリピン国内での人気の高まりを受け、初の海外展開として東京で展示販売される運びとなった。

 これに合わせ、フィリピンから同プログラムに参加する23社が訪日し、展示や商談に臨んでいる。その中の一社、junk not! 代表のウィリー・ガルシアさんは、二カ月前にパリデザインウィークの一環として行われた、ソーシャルデザインのコンペティション受賞者でもある。

 ウィリーさんは農園に生まれ育ったため、幼いころから農業を取り巻く自然環境が破壊されていく状況を危惧していたという。デザインを学んでいた学生のころから環境保護とデザインとの接点を探り始め、2009年にjunk not! を立ち上げた。2015年には新しいビジネスモデルを使った家具作りに着手。この家具には、リサイクルされたプラスチックからできたカラフルな紐状の素材が使われている。ごみであるプラスチックを収集し、家具の素材に加工するのは、ウィリーさんが生まれ育ったコミュニティーに住む無職の女性たちだ。彼女たちはプラスチック素材の納品代と、家具の販売額の5%を報酬として受け取る。3年前はたった4人で始めたが、現在では60人もの女性が参加している。

 コミュニティーの環境も、目に見えて変わったという。プラスチックごみは家庭で燃やしたり近隣の湖に投げ捨てられていたが、資源になるという認識が高まった結果リサイクルされるようになり、環境改善にも功を奏したとのこと。ウィリーさんはこのモデルを、貧困やプラスチックごみによる環境悪化に喘ぐ他地域に拡大していきたいと語る。自然と芸術を愛する少女だった彼女は、社会起業家として「幸福のためのデザイン」を社是に掲げ、フィリピンのみならず他国をも視野に入れて活動の幅を広げようとしている。

 フランスのみならずフィリピン国内でのソーシャルデザインの賞を受賞しているウィリーさんの作品を含むGoLokal! 展示会は、東京丸の内GOOD DESIGN MARUNOUCHIで、今月18日まで開催されている。展示品の一部は、GOOD DESIGN STORE TOKYOで購入可能。

【編集:山田愛】

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