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【ミャンマー】大学生が初の映画祭 民主化で学生活動が活発化
配信日時:2018年8月4日 10時15分 [ ID:5171]

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最優秀作品賞に選ばれ、喜びの表情を見せるリンテッアウン監督(右)(ヤンゴン、撮影:茂野新太)

 2018年7月24日、ミャンマーの最大都市ヤンゴンで、学生サークルの有志が映画祭を開いた。学生が主催した映画祭は、ミャンマーで初めてという。フィクションやドキュメンタリーなど短編映画10本が上映され、ヤンゴン工科大学のリンテッアウン監督の、聴覚障害の男性を描いた「サイレンス」が最優秀作品賞を受賞した。

 主催者は、ヤンゴン大学とダゴン大学の映画製作サークルの学生有志6名。会場となったヤンゴン大学のホールにはおよそ350席が設けられ、学生の観客で満席だった。主催者の1人、ダゴン大学のピャソンウーさんは、映画祭の目的を、若手映画監督の発表の場を広げることだと説明した。「学生たちは、情熱は十分だが、資金と技術が不足している。優秀な監督に賞金を贈ることで、さらに良い映画を作ってほしい」とも語った。映画祭の開催以前に、学生らを集めて4度のワークショップを開き、映画撮影技術を学んだという。

 ミャンマーでは長らく続いた軍事政権下で、学生の活動は大幅に規制されてきた。1988年の民主化運動をきっかけに大学は弾圧され、1996年にはヤンゴン大学が閉鎖。民政移管後の政策変更で2013年にヤンゴン大学は再開されたが、今も学生のサークル活動は少ない。そんななか、学生による映画祭が開催にこぎつけたことは、民主化による変化の一つと言えそうだ。


【取材/執筆:茂野新太】

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