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【もっと素敵なタイへ】タクシーで携帯電話を忘れたら、無事に戻ってきた!
配信日時:2018年7月9日 9時15分 [ ID:5123]

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ジェームス・タクシーの面々。スマートフォンを保管してくれていた運転手は右から3番目の白髪の男性チャールワイ・タオプラックさん。

 2018年7月9日、かつてのタイではタクシーで財布や携帯電話などを失くすと返ってくることはないか、タクシー運転手あるいは拾った人が高額の謝礼を要求するなどひどい状況が続いていた。しかし、近年は報道で落としものをネコババせずに持ち主に返還して表彰されるなどのケースが増え、またSNSなどでも話題になることから、タイ人の意識も大きく変わってきた。本来ならば人として当然であり、返した人物が表彰されることはおかしな話ではあるが、社会がよくなっていく前兆として受け入れることも大切だ。

 そんな中、在住日本人の浜田さん(仮名)はある日、バンコク中心部の繁華街からタクシーに乗り帰宅した。そのときはやや酩酊状態にあったこともあり、不注意でスマートフォンを車内に置き忘れてしまった。

 「タクシーの中でスマホを触ったので、間違いなくそのときまではあったことを憶えていました。自宅前ではなくコンビニで降ろしてもらい、買いものもしているのですが、コンビニで失くしたとは考えにくくて」

 その時点ではタクシーに忘れたのか確信は持てないままだった。そこで浜田さんは翌日にスマートフォンを失くしたことに気づいてから、自宅のパソコンで位置検索をかけてみた。すでに電源は切れていると見られ、たんに充電切れなのか、誰かに売り払われてしまったことを懸念した。タイでは改造携帯電話があり、ロックの解除などが個人経営のショップでできる。浜田さんの携帯もそのようにして売られている可能性があった。

「でも、最後に発信されていた位置がドンムアン国際空港の近辺だったのです。それでマップをできるだけ拡大してみたら、その近辺にタクシー会社がありました」

 その社名は「ジェームス・タクシー」。女性オーナー、ジャマリー・プーキングンさんの経営する、創業5年の新興タクシー会社だ。浜田さんは一縷の希望とばかりにそこの電話番号を調べ、電話をした。すると。

「ありました。ちゃんと保管しておいてくれたので、すぐに受け取りに行きました」

 浜田さんが乗っていたという証明は、その時間、タクシーを降りてコンビニエンスストアで買いものをしたレシートだった。偶然浜田さんを乗せた運転手チャールワイ・タオプラックさん(53歳)は、浜田さんがタクシー会社に到着したときにいて、憶えていた。運よくスマートフォンは浜田さんの手元に戻った。

 タイ人のタクシー運転手はあまり評判がよくないのも事実だが、このように善良な人もいる。しかも、こういった人物が増えているので、今後はよりタイのタクシーが安全で使いやすくなると期待できる。

【編集:高田胤臣】

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