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Global Women Impactors~アジア女性社会起業家の「伴走者」を募る~(2)
配信日時:2017年4月10日 9時00分 [ ID:4230]

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製品。

 2017年4月10日、タイの「やさしい」手工芸品を広めたい。タイで手工芸ビジネスに携わる女性社会起業家パサウィー・タパサナン・コダカさんは、「日本人は品質に対する意識がとても高いので、日本水準の「質」について学びたい」。彼女は、「Global Women Impactors」(※1)の発足イベントで、こう意気込みを語った。

 パサウィーさんは、2014年にFolkCharm Craftsを立上げ、タイ東北部イサーン地方で、女性農家8人とオーガニック綿花を栽培、自分でデザインをした衣服や小物雑貨を女性織物職人11人と縫製し、販売している。社名のFolkCharmは、「Fork=コミュニティ」と「Charm=美しさ」、という意味の造語で、地域の大自然から生まれる手工芸品の美しさを最大限に引き出すことを心がけている。また、同社の活動を通して、地方農村の女性農家や織物職人の所得向上にも取り組んでいる。
 
 子どもの頃数年間、日本に住んでいたパサウィーさんにとって、「やさしい」という日本語が企業コンセプトにぴったりだと言う。20-30代の同世代の女性消費者の目線でカジュアルにもフォーマルにも使いやすい衣服・小物を開発し、環境に配慮して商品を生産。不当に安く買い叩くのではなく、生産者の持続的な生活を支えられる適正な価格で販売する。自然にも、作り手・買い手にも「やさしい」商品の開発・生産・販売を目指していている。

 FolkCharm Craftsを起業して数ヶ月後の2014年9月、パサウィーさんと日本の伝統工芸品を一緒に見る機会があった。その時、「日本人の手工芸品や職人に対する敬意に感動した。タイでもこうしたものづくりに対する意識の向上を私自身が牽引していきたい」と語っていたのが印象的だった。それから約2年半。パサウィーさんはその言葉を着実に実行に移している。「アジア女性社会起業家ネットワーク」(※2)で知りあったタイの若手女性社会起業家たちと手工芸ネットワークを作り、デパートやイベントで、それぞれの商品を共同で販売。タイの手工芸業界の底上げを図ろうと、日々奮闘している。

「Global Women Impactors」では、パサウィーさんとともに、「やさしい」手工芸商品を世界に広めてくれる「伴走者」を求めている。
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※1: 「Global Women Impactors」は、アジアの女性社会起業家への事業能力強化支援を提供するメンターシッププログラム。メンターの応募(2017年4月1日~5月7日)はこちらのURLから↓
https://goo.gl/forms/EHp2VJlw5KzPeteV2
※2: アジア女性社会起業家ネットワーク(Asian Women Social Entrepreneurs Network: AWSEN)は、2014年に日本財団の支援で誕生。タイのNGO「女性の地位向上協会」と一般社団法人re:terra(リテラ)(東京)が共同で運営管理を行っている。日本財団は、2014年の「アジア女性社会起業家セミナー」、2015-2016年に計4回開催された「アジア女性社会起業家ネットワーク会議」を通して、アジアの女性起業家120名以上の事業能力強化とネットワーキングを支援。2017年度よりメンターシッププログラム「Global Women Impactors」を支援する。


【執筆:日本財団 田中麻里】

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