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【金正男氏殺害】事件直後から休店している クアラルンプールの北朝鮮レストラン「高麗館」
配信日時:2017年2月21日 19時26分 [ ID:4134]

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クアラルンプールの高麗館(撮影:中野鷹・2016年撮影) 

 2017年2月21日、北朝鮮の友好国とされてきたマレーシアには、北朝鮮レストラン「高麗館」がある。場所は、クアラルンプール市内のモノレールの駅から徒歩15分くらい歩いたローカルエリアに存在する。もっとも徒歩で訪れるのは著者や旅行者くらいで、多くのお客は、車で同店を訪れていると思われる。そんな場所にひっそりと存在する。

 今回の金正男氏殺害事件を受けてマスコミ関係者が殺到した影響か事件から、数日後には高麗館は休店し人影もなくひっそりとしている。

 現在、マレーシアの北朝鮮レストランはこの高麗館1店のみ確認されているが、客単価も高い人気店として知られる。平屋の建物には100席ほどあり、毎晩、ほぼ定時に開催するステージショーが目玉だ。昨年11月30日の国連制裁決議の採択後も営業を継続していた。

 北朝鮮レストランを長年取材してきた日本人ウォッチャーは、「北朝鮮レストランで働く女性スタッフは平壌から派遣されており、喜び組などと言われることがありますが、そんな組は存在せず、スパイや工作員でもありません。北朝鮮でも真面目に少しでも幸せになりたいと願う普通の人たちは存在しており、北朝鮮から海外へ行ける彼女たちはエリートとは言えますが、国家や権力者と普通の北朝鮮人を分けて考えるのが大切だと私は思います。今回の事件後に日本のテレビ局が盗撮で女性スタッフに金正男氏を知っているか? なんて聞いている映像がありましたが、すぐにバレて応じたスタッフが処罰される恐れが非常に高いです。取材行為と思い込んでいることが特殊な国である北朝鮮では命にかかわることだと自覚して欲しいです」と話す。

【執筆:中野 鷹】

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