タイのニュース

日本政府、農村の水害対策に総額1030万円を支援=在タイ日本大使館
配信日時:2014年4月10日 18時45分 [ ID:345]

このエントリーをはてなブックマークに追加

写真をクリックすると次の写真に切り替わります。

スピーチをする佐藤重和大使。

2014年4月9日、日本政府は「災害に強い農村づくりのためのワンマン川小流域かんがい設備整備計画」への支援を実施し、佐藤重和大使、カムトーン・チャイナート県知事、「ワンマン地区行政機構」のマノップ副行政機構長ら関係者約100名が集まり、引き渡し式を開いた。支援費用は、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」として、総額325万7100タイバーツ(約1030万円)。

対象となるチャイナート県ワットシン郡ワンマン地区は、人口4446人、世帯数1421世帯(2011年)。タイ政府にも、モンキーチーク(水を大量に貯める地帯)として位置づけられており、上流で降った大量の雨を堰き止め、下流の大都市が大規模洪水になることを防いでいる地域だ。

乾期には充分な水が無いため、かんがいにより二期作が出来る水田は2万3000ライ(1ライ=1600平方メートル)のうち6000ライしかない。生産性も低く、農家1人当りの平均月収は5800タイバーツ(約18500円)と他の地域に比べて低い。

今回の支援では、堰(せき)や水門の設置や延長をおこなったことにより、貯留容量を超えて流れた水が下流の小河川、ため池、水路などに貯まり、乾期の水不足解消に役立てることができる。

この取り組みは一つのモデルケースとして隣接する地方公共団体からも注目されており、また住民説明会や関係者に対するワークショップも開催するなど、将来的には住民自らの手により実施されることも期待されている。所得収入の少ない地元農民らに草の根レベルで広く役立つプロジェクトであり、支援の意義は大きいと考えられる。

【編集:太田雅幸】

タイの新着ニュース