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韓国が利用自粛を呼びかける北朝鮮レストランーその理由とバンコク店の様子
配信日時:2016年3月3日 11時00分 [ ID:3164]

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朝鮮語の歌の合間に「津軽海峡冬景色」などの日本の歌が数曲入っていた。英語はそこそこに話すが、料理以外の質問はなかなか通じなかった。

 2016年3月3日、バンコクの北朝鮮レストラン「平壌アリラン・レストラン」は、日本人も多く往来し和食店も多いスクムビット通りソイ26にある。

 北朝鮮レストランはバンコクでは数年前まで郊外で営業していたがすぐに閉店となり、2015年に入ってこの場所で再オープンした。しかし、営業開始当初は店員兼ショーを担当する女性タレントのビザと労働許可証が発給されなかったため、しばらくは普通の飲食店として営業していた。

 すでに数カ月前にショーは始まっており、店員女性が夜20時になると(実際に始まったのは20時半)衣装に着替え、北朝鮮の民謡らしき歌をカラオケで披露。日本語の曲もある

 食事は北朝鮮料理を中心に、淡水魚の刺身や焼肉のようなもの、お好み焼きのようなチヂミ、ユッケや冷麺があり、どれも200バーツ~の料金設定で、内装や味のレベルなどと比べるとかなり割高。ただ、味はどれも悪くはなく、おいしい方である。

 2月16日に韓国外交省は国外にいる自国民に北朝鮮レストランの利用自粛を呼びかけている。北朝鮮レストランの収益は核ミサイルの開発費用に充てられる可能性もあることが表向きな理由とされているが、北朝鮮の事情に詳しいライターによると「従業員に韓国の大統領や政治家、制度の悪口や韓国の社会問題について話すことを問題視しているようです」という事情もある。「北朝鮮レストランの従業員は諜報員ではないのですが、日々管理するリーダーへ報告を課せられているため、些細な情報でも漏れてしまうようです」

 取材当日は日曜日の夜にも関わらず、日本人客は2人×2組、4人×1組、韓国人の3人連れと2人連れがそれぞれひと組ずつ。従業員は簡単な英語と日本語を話す程度だが、韓国人客には朝鮮語でなにか長く立ち話をしている様子が窺えた。


【執筆:高田胤臣】

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