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【タイ】Facebookで警察を誹謗した容疑者に懲役8年を求刑
配信日時:2015年11月24日 17時00分 [ ID:2799]

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今年バンコクで一時期問題になった警察による外国人観光客を狙った所持品検査は、採尿まで要求する事例も多く発覚し、行き過ぎだとの批判が内外から寄せられた。

 2015年11月24日、タイ南部クラビー県地方裁判所で、Facebookで警察を誹謗したとして警察側が懲役8年を求刑した。容疑者は警察が通報の電話を受け取らずに怠慢だったとから起きた事だ主張している。

 タイ南部の観光地クラビー県に住む23才の女性は、駐車禁止エリアへの進入を注意されたことを動画でFacebookに投稿。その怒りを書き込んだ内容が一方的であったとして逮捕されていた。

 また、22才男性にも同じく懲役8年が求刑されたが被告は警察が負傷した女性の保護を求める電話に対応しなかったためだと容疑を否認している。男性は血まみれになった女性を発見し、警察に通報したが電話には誰も出ずに自分自身の車で病院へ搬送した。その後、一部始終を同じくFacebookに投稿して警察の対応を批判していた。

 この件について警察側は以下のように語った。

「被告が通報したのは191の代表番号であり、クラビー署直属の管轄ではない。わたし達は常に市民のために働いているが、多くの人は誤解し理解しようともしていない。今回の求刑には、こうした私たちへの一方的な批判に対して他の人々へ警告を与える意味合いがある。」

タイの一般市民の間では警察に対して強い不信感がある。これは長年、交通違反や薬物取締り、さらにはみかじめ料の徴収などと言った不正な逮捕と、見逃すことへの賄賂強要が日常的に行われ来たからに他ならない。

 具体的な事例として、路地裏などで所持品検査としてバイクを停車させ、隠し持った麻薬などを当事者の持ち物に忍ばせ、いかにも発見したという不正摘発も行われていた。

 現在、タイの政府を牛耳る軍については、これまで国と国王へ奉仕しているというイメージと、貧困層の若者たちの就職先として、警察とは対照的な印象で受け止められて来ている。

 こうした市民感情をタイ軍政はうまく利用しており、警察内部の不正やみかじめ料徴収などの摘発が断続的に行われている。バンコク周辺などで警察の検問が、軍政なって以降、目に見えて増えているのは、こうした軍による締め付けにより警察の収入源が激減しているためだと言われているなど、警察に対する市民の目は厳しい。そのため、軍の威光を借りる形で厳しい求刑をしたものと受け止められている。

【翻訳/編集:CR】

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