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【タイ】タイのガソリン事情
配信日時:2015年11月20日 17時00分 [ ID:2781]

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エタノール混合燃料はエンジンを傷めるとよく言われるが、すでに普通のレギュラーやハイオクガソリンが店頭でほとんど見られないためどうしようもない。

 2015年11月20日、日本の資源エネルギー庁は今月16日時点のレギュラーガソリンのリッター店頭価格が全国平均で前週比0.6円安の131.6円と4週連続で値下がりしたことを発表したが、東南アジアの人気渡航先であるタイではどんな事情なのかを見てみたい。

 まず、タイで販売される自動車用燃料は下記の種類になる。

・ベンジン95 : 日本のハイオク
・ベンジン91 : 日本のレギュラー
・ガソホール95 : ベンジン95が90%、エタノール10%の混合
・ガソホール91 : ベンジン91が90%、エタノール10%の混合
・E20 : ベンジン91にエタノール20%を混合
・E85 : ベンジン91にエタノール70~85%を混合
・ディーゼル : 軽油
・LPG : 液化石油ガス
・NGV : 天然ガス

 PTT社(タイ石油公社)及びその他のウェブサイトからの情報によると、取材時現在のタイ国内での価格は下記の通り。

・ベンジン95 : 32.56THB/リットル(約116円)
・ベンジン91 : -
・ガソホール95 : 25.60THB/リットル(約91円)
・ガソホール91 : 25.18THB/リットル(約90円)
・E20 : 23.24THB/リットル(約83円)
・E85 : 19.74THB/リットル(約71円)
・ディーゼル : 23.09THB/リットル(約82円)
・NGV:13.50THB/キログラム(約47円)
・LPG:22.96THB/キログラム(約80円)

 タイの物価においては、例えばコンビニエンスストアで炭酸飲料が1缶12バーツ程度で購入できることを考えるとかなり高いと感じる。

 そんな事情もあり2008年ごろからタイでは、メーカー純正のガス仕様車や、街中の修理工場などによる改造ガス仕様車が増え、供給所であるスタンドには車の長い列ができるようになった。

 タクシーはかなり前からガス仕様車になっており、そこに一般車両も入るようになったため、スタンドの不足状態がまだ補えていない。
 
 タイは実は産油国だが埋蔵量も減少気味で、今後開発がうまくいかない場合、5~6年で生産維持が困難になるとされる。また、エネルギー基本政策により2013年1月からガソホール91の国内販売が終了、エタノール混合ガソリンの販売が義務化された。

 タイはすでに原油輸入依存度は70%になると言われ、今後もLPGやNGVのガス仕様車の割合が増えるのかもしれない。

【執筆:高田胤臣】

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