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タイの旅行会社も注目する「全国エコツーリズム大会in京都・美山」開催
配信日時:2015年10月19日 10時00分 [ ID:2667]

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訪日外国人の分散は、どこの国でも抱えているテーマだ、タイでは、バンコク、チェンマイ、プーケットに観光客が集中しており、全土12の地域を積極的にアプローチしている。日本のエコツーリズムに高い関心を寄せるタイの旅行関係者も多い。

 2015年10月15ー17日、「全国エコツーリズム大会in京都・美山」が京都府南丹市美山町で開催され、エコツーリズム実践者らによる交流が行われた。

 美山町で平成22年からエコツーリズム推進に取り組んできた、美山エコツーリズム推進協議会と、全国的なエコツーリズム推進団体であるNPO法人日本エコツーリズム協会の共催。

 美山町には、茅葺屋根の家が40軒ほど残る集落があり、日本の原風景を見に、年間で約70万人が訪れている。しかし、訪れる観光客の消費単価はおよそ900円で、宿泊が伴っておらず、更に同町の人口は毎年100人ずつ減少しているという現実がある。

 これらの課題について、豊かな自然や、自然と共にある里山の暮らしをベースに、交流人口の拡大から定住へ結び付けていくための対応策の一つとしてエコツーリズムが推進されてきた。

 大会初日には、講演と関係団体の取組報告が行われた。基調講演では、東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)を経営するオリエンタルランドの福島祥郎特別顧問から「日本の自然環境が育んできた、人々の和の心と、エコツーリズムは親和性が高く、感動体験を共感することで、価値観や美意識の共有化が進み、新しいものが生まれる」と話した。

 JTB会長で日本エコツーリズム協会副会長の田川博己氏は、これからの訪日観光客2000万人時代を迎えるにあたり、大都市に集中している訪日観光需要を地域に分散することによって、地域の観光消費の増加と、雇用創出への期待について語った。そのためには、地元の人が主体となって地域の魅力を磨きあげることが重要であり、商品化や販売戦略を得意とする旅行会社との役割分担についても触れられた。美山町へは台湾からの観光客が増えており、外国人も含めた受入体制づくりへの課題が浮き彫りとなった。

 2日目は、エコツアーに約100人が参加した。かやぶき体験、鹿狩りと解体体験、ネイチャートレッキング、わら細工や草木染め体験、ラフティング、かやぶきの里散策の6コース。

 中でも一番人気は鹿狩りと解体体験ツアーで、美山で20年以上にわたり、アウトドアや山村体験を行っている「田歌舎」を中心に地元猟師の協力を得て、定員の20名で行われた。

 鹿の解体を体験し、昼には鹿肉の生ハムや、ロースト、レバーペースト等の数々を味わい、午後、地元猟師と共に山野に入り、猟犬と行う巻狩りを間近で見学した。

 鹿狩りは4グループに分かれ、運よく鹿を仕留めることが出来た1グループ。残り3グループでは鹿を追い詰めたものの逃げられてしまった。

 猟は、猟犬に取り付けた発信機をもとにGPSで猟犬の位置を確認しながら行われ「姿は見えないが、猟犬たちの気配を感じながら、犬たちの緊張感を共有できたことが非常に面白かった」と参加者から好評だった。また、ツアーを通して、森の命をいただくことの意味を五感で理解することができたという感想も得られた。

 大会3日目にはエコツアー全6コースの評価会が行われ、ツアー主催者へ、日本エコツーリズム協会の理事らから、改善点などの提案が出され、活発な議論が展開された。


【編集:襤褸(ぼろ)】

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