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【アセアン】台湾の世界地図で南シナ海はどのように描かれているのか?
配信日時:2015年10月15日 11時00分 [ ID:2656]

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珊如図書出版の世界地図(我妻伊都 撮影)

 2015年10月15日、ベトナムやタイ、シンガポールで遭遇する台湾人ビジネスパーソンは多い。地理的にも、日本とタイなどとの中間付近に位置する日本とアセアンのハブ的な存在だ。

 そんな台湾の出版社が発行する世界地図で南シナ海やアセアン、日本がどのように描かれているのか検証してみたい。今回、検証するのは、「珊如図書出版」が発行する2015年の最新世界地図。台湾のオンラインショップでも購入できるので一般的な地図と言える。

 広げると台湾が中心にあるので日本の世界地図に近い印象を受ける。

 台湾は当然ながら「中華民国(台湾)」と独立国として描かれている。中国が領有権を主張する尖閣諸島の名称も書かれているが、帰属を示す説明や国境線は敷かれていない。それどころか、台湾海峡にも国境線が見当たらない。

 アセアンは、陸地の国境線はあるが海上に国境線はなく、南シナ海は南海と表記され、中国が南シナ海で主張する十段線も敷かれておらず、中国の地図では細かく書かれている南沙諸島の島名もない。

 自国台湾の国境線は曖昧に描かれていたが、日本はどうなっているのだろうか。

 まず、日本海は東海と日本海の併記。北方領土は、島名はあるが、硫黄島に書かれているような日本帰属の表記もロシア実効支配との表記もなくこちらも曖昧だ。

 日本列島へ目を戻すと唯一山らしい表記として奥羽山脈に2040と山のマークがある。奥羽山脈で調べると岩手山が2035メートルともっとも近く、位置的にもおそらく岩手山だと思われる。かつて日本一だった新高山(現・玉山)に関連があるのか富士山は描かれていない。

 ちなみに同じ出版社が発行する日本地図の表紙を見ると日本海に独島の文字が。韓国は南韓と表記され、北朝鮮は、韓国が主張する北韓と表記されるなどこの地図は、韓国の主張が反映された玉虫色な地図となっている。

【執筆:我妻伊都】

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