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タイ南部クラビー県の海岸沿いに暮らす住民、強風と高波による被害を竹の防波堤で防ぐ
配信日時:2014年3月5日 2時53分 [ ID:212]

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マングローブの森がなくなると、魚も取れなくなる。漁民にとってはまさに死活問題だ。

2014年3月4日、タイの英字紙によると、過去数年間、タイ南部クラビー県の海岸沿いに暮らす住民たちはモンスーンによる強風と高波による被害に悩まされてきたという。そのため、竹を使って防波堤を作ることで強風による高波の被害を軽減することに努めている。

クラビー県沿岸部にあるプラソン地区では、もともとマングローブの森によって波による浸食を防いできた。しかし、近年では強風と高波のために、マングローブの生育が間に合わなくなっているために、沿岸部に建てられた住宅にも被害が及ぶようになってきた。そのため、住民たちは海岸線500メートルに渡って竹を壁状に埋め込み、強い波による浸食を防ぐ努力をしている。

現地の行政機関では、支援団体と共同で沿岸部に沿ってコンクリートの防波堤を設置する計画を進めており、すでに施行された地域では住宅の被災は減ってきている。しかし、マングローブや海岸線の浸食には効果が薄いため、住民は中部のサムットサコーン県で実施されているこの方法を取り入れた。

地元のイスラム学校の教諭は「この方法を取り入れてから、翌年にマングローブの種が根づいてたのを見て、わたしたちは間違っていないと思った」と語っている。

現地で漁業に従事する男性は「マングローブの森は、強い波で土壌ごと、根っこから浸食されている。マングローブの森がなくなると、魚も取れなくなる。わたしはもう年だから、他に移り住むわけにも、他の仕事をすることもできない」と訴えている。

世界的な気象変動は、こんなところにも陰を落としている。特に彼らのように海とともに暮らしている者にとっては、まさに死活問題となっている。画一的で遅い行政の対応に任せきりにせず、自分たちで活路を見出そうという住民たちの姿には学ぶべきところが多い。


【翻訳/編集:そむちゃい吉田】

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