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タイ軍政、タクシー料金値上げにストップ=呼び出しサービスにも待った!
配信日時:2014年12月4日 3時03分 [ ID:1248]

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20年間も据え置かれたままになっている初乗り料金自体が問題の根源。

 2014年12月3日現在、タイ軍政は、12月1日より予定されていたタクシー料金の値上げに待ったをかけている。また、スマホ・アプリを使った呼び出しサービスも違法だとして、排除する方針だ。

 タクシー料金の値上げには、車体の使用年数の制限やライセンス更新の厳格化などいくつかの条件付きながら、12月1日から8~12%の値上げが予定されていた。

 今回、運輸省がそれに待ったをかけたのは、他社よりも安い料金を提供しようとして運行を開始したタクシー会社や、スマホ・アプリでタクシーを呼び出すサービスを問題視したためだ。

 タイ軍政は、いずれも違法状態だとして、低料金タクシーには認可を与えず、スマホ・サービスは排除をする意向、と各メディアが報じている。

 タクシーの料金やサービスについては、タイに限らず日本でも、低料金タクシーは業界の強い反発にあい、なかなか定着しない。しかし、タイの場合は世界的な標準に照らしても、決して高い料金とは言えない。

 また、リース料と燃料費が運転手の自腹で賄う必要があるため、乗車拒否は相変わらず減る様子はなく、観光客を相手にしたボッたくりが後を絶たない。

 こうした現状に対して、タクシードライバーたちが意見を寄せるFacebookには、

「行き先に渋滞があるとわかっていれば、それで失う時間で、他の場所を走ったほうがいい」
「乗客はタクシーを選べるのだから、こちらにも乗客を選ぶ権利があってもいいだろう」
「高い燃料代とリース代を差引いたら、1日の食費にもならない日がある。効率的に仕事したいと思うのは当然」
 という声が多く寄せられている。

 今回のタイ軍政の処置は、業界内部や既得権益からの圧力と思わざる得ない。様々な不正や違法商売を強引に摘発している軍政ではあるが、バンコクのタクシー問題については、方向を間違えているとしか思えない事態になりつつあるようだ。

 まずは、運転手の利益確保のため、20年据え置かれたままになっている初乗り料金(35バーツ=約127円)を上げること、そして、空港や観光スポットにはびこるボッたくりタクシーを撲滅することが先決だ。

 つい先ごろ行なわれた観光客へのアンケートでも、タイを再び訪れたいという回答は92%にものぼっているものの、タクシーさえ何とかしてくれれば、という注釈つきのものが多く見られた。

 南部のプーケットでは、軍政の強引な手法により、高額だったタクシー料金が適正化された。しかし、バンコクのタクシー問題に対しては、軍政の態度がなぜこうも弱腰なのかが理解に苦しむところだ。

【翻訳/編集:そむちゃい吉田】

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