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反政府デモの続行で中小企業の資金繰りが悪化。タイの銀行が不良債権を懸念
配信日時:2014年2月5日 16時30分 [ ID:123]

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タイの銀行は不良債権の増加を懸念し、様々な対策を実行中。アユタヤ銀行では日本企業のサプライ・チェーンの強化を模索している。

2014年2月4日の英字紙ネーションによると、タイの銀行は、長引く政治の混乱が中小企業・小売業者の売り上げに大きな影響を与えているため、不良債権の増加を危惧している。

カシコン銀行のヴァシン副頭取は「変化に対応できない中小企業・小売業者への貸し出しに対しては慎重になっている。一方で、事業規模の大きな顧客に対してはほとんど変化がない」と答えている。

CIMBタイの商業銀行業務を統括するジラチャユス副頭取は「中小企業は反政府デモによる影響を受けつつあるが、まだそれほど深刻ではないので、いまのところ返済計画に変更はない。しかしながら、売り上げの後退から資金の流動性が逼迫し始めているため、貸し出しには限度額を求める銀行が増えている」と述べた。同行は今のところ限度額の変更はせず、顧客の状況や支援の必要性をモニターし、財務状況の悪化などに対して、個別に返済計画の見直しなどの対応をしている。

サイアム商業銀行のトゥン副頭取は「景気後退により中小企業の収益には明らかに減少が見られ、昨年後半から債務不履行が増加している。中小企業は国内消費に大きく依存しており、消費の減少が貿易・製造分野の中小企業の多くに影響を与えている。今年は試練の年となるだろう」と語った。昨年後半から顧客を訪問して、援助が必要か尋ねているが、中小企業では多くの在庫と高い固定費が流動性を圧迫しているという。

アユタヤ銀行のスポークスマンは、「小規模事業分野では資金のやり繰りに問題が発生し始め、ローンの返済に遅れが生じている」と認めている。今年の中小企業向けローンの目標は13%の増加とし、新規投資は明らかに減速しているにもかかわらず、この目標値を変えていない。2013年末での中小企業に対する不良債権率は1%未満で、今年は不良債権率を上げないために、日本企業のサプライ・チェーンや中規模以上の企業に、より焦点を当てるという。

【翻訳/編集:YK】

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